御衣黄桜(ぎょいこうざくら)

 

自宅近くに佛陀山 楞嚴寺(りょうごんじ)があります。
このお寺にお参りをするとお乳(母乳)の出が良くなると言われており、昔はたくさんの人がみえたそうです。
私の生まれた時にも、祖母が母にお参りに行くように勧めてくれたそうです。かれこれ5ウン年前の話ですが・・

 

そこに、珍しい桜 御衣黄桜(ぎょいこうざくら)が満開をむかえています。
この桜は開花時期が遅く、他の桜が咲き終わってから見頃をむかえます。
桜というと、ピンク色を想像しますが、この桜は他の桜のような華やかな色ではありません。
その独特な淡い黄緑色の花びらから、日本でも非常に珍しい桜として知られています。
この美しい桜は、お寺の参道に植えられています。

 

なんと、私の祖父が植えていったものだそうです。
頑固一徹、曲がった事の大嫌いだった気難しい祖父がなぜこの桜を選んだ‥
何か深い意味や思いが込められていたのではないかと思い花言葉を調べてみました。
「永遠の愛」「優美」「心の平安」「精神美」などがありました。
その控えめで気品のある姿が、これらの花言葉とぴったり合っています。

 

 気難しくて頑固だった祖父だからこそ、桜の種類にもこだわりがあったのかもしれません。
一般的な淡いピンクの桜ではなく、黄緑色の花を咲かせる御衣黄桜は、その独特な美しさを愛でたかったのか、あるいは何か象徴的な意味を持たせたかったのかもしれません。

「優美」――気難しかった祖父ですが、実は美しいものや品のあるものを大切にする心を持っていたのかもしれません。思えば、オシャレな祖父でした。
普段からループタイをしたり、冬には私のカナダ土産のカウチンを愛用していました。桜の優雅な姿が、人生にも優しさや品格を持ってほしいという願いを表しているのかもしれません。

 

「心の平安」――お寺の参道に植えたことを考えると、子孫がこの桜を見ながら安らぎを感じられることを願っていたのではないでしょうか。人生の様々な困難や試練に直面したとき、この桜を見て心を落ち着けてほしい、そんな願いが込められているのかもしれません。

 

「精神美」――見た目の美しさだけではなく
内面の豊かさを大切にすること

それが祖父の願いだったと信じます

これからも、御衣黄桜が咲きますよう
祖父の笑顔が浮かびますよう