お仏壇のお手入れ方法
お客様から時々聞かれるのですが、、、「お仏壇のお掃除ってどうすればいいの?」
掃除する頻度に関しては特に決まりはありませんが、普段から小まめに簡単なお手入れをしておくと
きれいを保つことができます。
家のお掃除と同じく「日常的な掃除」とともに、年に数回、お正月やお盆・お彼岸などの時期に
「本格的な掃除」をすると、お仏壇もキレイに保つことができます。
~日常的な掃除~
毎日掃除をするのは大変‥と思われる人もいるかもしれませんが、まずはお仏壇に手を合わせた際に、毛才(けざい)で軽くホコリをなでるように払うところから始めてみるのがおすすめです。その時は、赤ちゃんの肌をなでるようにそっと優しくやるのがポイントです。
しっかり掃除をしようと意気込むと、息切れして長続きしないので、「日常的な掃除」はホントに簡単にできる範囲内で「続ける」ことが大切です。ちょこちょこ掃除です!
~正月やお盆・お彼岸時期に本格的なお手入れ~
1年に数回程度、「本格的な掃除」を行うことで綺麗になるだけでなく、お仏壇が長持ちします。
正月やお盆・お彼岸の時期などは、ご親戚など皆さんがお仏壇に手を合わせることが多くなります。キレイな状態でお参りができると、気持ちが良いですよね。
こうした季節の行事に合わせてお仏壇の「本格的な掃除」をしたいものです。又は、ご先祖様や故人の命日などの節目に合わせて掃除をするのも良いでしょう。
掃除の注意点
①お天気の良い日に行う。
お仏壇は木を使っているため、湿気に弱いです。掃除をする際には、換気のために窓を開けたりしますが、雨の日や湿度の高い日であると湿った空気が室内に入ってきます。
掃除はなるべく晴れていて、湿度の低い日に行うのが望ましいといえます。
②足場の安定性を確保する
お仏壇が大きかったり、高い所に置いている場合には、お仏壇の上の方まで手が届かないこともあります。
手が届かないと、椅子や踏み台などの上に立って掃除をすることになりますが、この際に足場の安定性はしっかりと確認するようにしましょう。ガタガタと不安定な状態で掃除を行うと、椅子や踏み台が倒れてケガをしてしまう危険があります。足場の安全確認を十分にした上で掃除を行いましょう。
③仏壇・仏具の配置の写真を撮っておく
仏壇の掃除をする時に、仏具を何の気なしに取り外して掃除をしてしまうと、後で、取り外した仏具を元の戻そうと思い出せずに困ってしまう時があります。
そのため、掃除を始める前に、スマートフォンなどで仏壇・仏具の現状配置の写真を撮影しておくようにしましょう。そうすることで、掃除をした後に、写真を見て配置を確認しながら仏具を元の位置に戻すことができます。
さあ!ここからが本題です!お仏壇は、材質によって掃除方法が異なります。
仏壇は大きく分けて唐木製の「唐木仏壇」と、金箔が塗られた「金仏壇」に分けられます。
仏壇の材質で掃除の方法は異なりますが、共通して言えることとしては、仏壇はこまめにホコリを払うなど簡単な掃除をすると良いということです。仏壇は仏様やご先祖様をお祀りする祭壇であり、繊細な伝統的工芸品でもあるため、間違った掃除の仕方をしてしまうのは避けたいものです。
以下では、仏壇の材質に合わせた仏壇の正しい掃除方法について紹介します。
唐木仏壇の掃除方法
「唐木仏壇」は、黒檀や紫檀などの木目を生かして作った仏壇のことを指し、金仏壇に比べてシンプルな形のものが多いです。材質として使用されている木の種類はさまざまですが、「唐木仏壇」であればどのような木を使っていても掃除方法は大きく変わりません。
「唐木仏壇」の掃除は比較的簡単で、唐木や塗りの部分は柔らかい布で拭き、彫刻などの細かい部分は毛バタキでホコリを払うのが基本です。水拭きをすると木材に水が染みこんでカビが発生しやすくなってしまうので、避けるようにしましょう。そして、最後に乾拭きをして、ワックスを塗ります。普段から小まめにお手入れをしていれば、ホコリもたまりにくくなるでしょう。
取り外し可能な仏具は取り外して、仏壇掃除用の筆でホコリを落とします。真鍮製の仏具は研磨剤などを利用して磨きます。
金仏壇の掃除方法
「金仏壇」は、全体に黒い漆塗りが施され、内部には金箔が張ってある仏壇のことです。「金仏壇」の掃除をする際は、取り扱いに注意が必要です。「金仏壇」は触ってはいけない箇所が多く、普段のお手入れで汚れを落とすのが難しく、特に金箔が貼られている部分などにホコリがたまってしまいがちになります。
むやみに素手で触ると金箔が剥げてしまったり、指紋が付いて取れなくなってしまうこともあります。金具の部分も同様で、塩分に弱く錆びやすいため、直接手で触らないようにしましょう。また、水分で濡らさないように注意を払うことも大切です。濡れた雑巾で拭くと金箔が剥げる原因にもなり、漆が塗られている部分は水拭きすると拭き跡が残ってしまうことがあります。掃除中に触ってしまい汗や皮脂が付いた場合は、柔らかい布で軽く乾拭きをしてください。
金箔が濡れたり剥がれてしまったりすると、金箔の貼り直しのために専門の職人に依頼をしないといけません。修理費用もかかります。そのため、掃除をする際には、金箔や金具の部分を避けながら慎重に行いましょう。金箔の部分は毛バタキでホコリを払うだけにします。
また、漆は水分に弱いため、漆塗りの部分は水拭きはせず柔らかい布などで乾拭きをします。仏像や位牌、扉のサン、細かい細工がしてあるところなどは、先の柔らかい毛筆を使ってホコリを払うようにしましょう。
仏壇が汚れてきたら、専門の職人に頼んで金箔を貼り直し、漆を塗り直してもらうのも良いでしょう。仏壇は、まるで生まれ変わったようにキレイになります。